2021.05.17
今回は、マニアックなお茶の知識です。主に、日本茶インストラクターの資格を取ろうとしている方が対象です。
ですが、知的好奇心旺盛な方も、ぜひお付き合いください。
さて、お茶に含まれている化学成分で最も多いとされているものはなんでしょうか。それが、今回のテーマ「カテキン」です。
そのカテキンをもう少し詳しく分けてみると「エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート」の4つに大別されます。エピガロカテキンガレートという一番長い名前がカテキン類の中で最も多く含まれています。
この主要カテキン4種はぜひ覚えておいてください。さて、この4種を2つのグループに分けてみます。
【遊離型カテキン】エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)
【エステル型カテキン(ガレートタイプ)】エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキンガレート(EGCg)
この遊離型とエステル型に分ける意味は何かというと、浸出性の違いがあるからです。
詳細は省きますが、エステル型の方が低めの温度では浸出しにくいという特徴があります。また、エステル型は苦渋みが強いため、低い温度で入れると甘みが強く苦渋みが弱く感じられる一つの要因となっています。
インストラクターの試験では、四種類それぞれの浸出率を表したグラフが出され、どれかを当てる問題が出ます。
横軸が時間、縦軸が浸出率で、温度別3種類のデータが示してあります。
温度はそれぞれ20℃、60℃、90℃となっているため、見分け方は、20℃の浸出率がそこそこ高い二つが遊離型、ちょっと低い二つがエステル型になります。
このような特徴を覚えておくと、試験に受かることもさることながら、実際にお茶を入れるときも低めで入れるとなぜ甘みが強いかを説明できるようになります。
お茶の特徴を学びながら、自分なりのお茶の入れ方を編み出せるともっと面白くなるかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。